私たち人間が1日に必要とする水分量は「2.5L」といわれています。なぜなら、普通に生活をしていても尿・便で1.6L、汗や呼吸で0.9L、合計2.5Lもの水分を失っているためです。とはいえ、これは「毎日2.5Lの水を飲まなければいけない」ということではありません。実は、体内では水が生成されており、かつ食事でも水を補えるため、意識して飲まなければならない水の量は「1.5L程度」と考えられます。
- 東京大学大学院教育学研究科身体教育学講座で、中高年の運動・スポーツ実践に当たって,こまめに水を飲むことは,心筋梗塞や脳血管疾患等の重篤な事故の予防につながるという研究論文が発表されています。
〈詳しくはコチラ〉
厚生労働省HP 「健康のため水を飲もう」推進運動
水分摂取量が不足すると熱中症の危険も
水分摂取量が不足すると、当然ですが体内の水分量も不足します。身体への影響は、体内の水分量がどの程度不足したかによって変わってきます。
たとえば、わずか5%でも水分を失うと脱水症状や熱中症を引き起こします。10%失った場合は筋肉の痙攣や循環不全などが起こり、20%も失うと活動することができなくなってしまいます。つまり、少しでも体内の水分量が不足すると、健康面に大きな影響が及んでしまうのです。
熱中症の4割は室内で起こります!
消防庁によると熱中症の約4割は室内で起こっているそうです。
人間の体は、身体の中に過剰に熱がたまると、皮膚近くの毛細血管に温まった血液が集まり、身体の外側に熱を放し、体温を下げようとします。また、皮膚からの放熱で体温が下がらない場合は、汗腺が刺激され、汗による気化熱によって身体を冷やします。
これらはどれも自律神経の働きによるものですが、自律神経が乱れていたり、栄養や睡眠の不足により本来の体温調整機能が働きづらくなると熱中症を引き起こすことがあります。室内での熱中症は、体温調整機能が衰えつつある高齢者の方に多いそうですが、在宅勤務などで長期間室内での生活が続く若い世代への影響もゼロではありません。
また注意しなければならないのは入浴です。入浴により約800mlの水分が失われてしまいます。(41℃の風呂に15分入浴後30分安静時)そうすると脱水により熱中症を引き起こす危険性があるのです。
- コロナ禍で医療が逼迫してくると救急搬送できないという事態も引き起こします。
室内での熱中症の予防にはこまめに水分を摂る必要があります。
コップ1杯分を数回に分けて飲む
- 水分を摂る際は、コップ1杯分ずつ数回に分けて飲むことが大切です。なぜなら、たくさん飲んだところで身体が一度に吸収できる水の量は「200〜250ml」と決まっており、残りは尿として排出されてしまうからです。200〜250mlは約コップ1杯分なので、朝・昼・夜のタイミングで2回ずつや入浴の前後など、数回に分けて飲むようにしましょう。そうすれば水の過剰摂取を避けられ、かつ1日に必要な水分量1.5Lを無理なく摂取することができます。
1時間以内に1L以上飲まないようにする
- 水分を摂る際は、1時間以内に1L以上飲まないようにしましょう。なぜなら、水の過剰摂取は「水中毒」を引き起こす恐れがあるからです。一気にたくさんの水を飲んでしまうと腎臓の利尿速度が追い付かず、細胞の膨化(=水中毒)を引き起こしてしまいます。重度になると痙攣や意識障害につながるため、水の過剰摂取(1時間以内に1L以上を飲むこと)は避けることが大切です
どんな水を飲めばいいの?
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